Home(page1) | page2 | page3 | page4 | page5

第1 総則

 1 目的

この基準は、海上自衛隊において実施する気象観測業務について、必要な事項を定め、もつて部隊の運用及び保安に資することを目的とする。

 2 意義

この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 観測所気象観測を実施する海上自衛隊の部隊、艦船及び航空機をいう。

(2) 気象統計報陸上気象観測結果のうち、気象統計に関する通信文をいう。

(3) 航空基地隊等小松島航空隊、大湊航空隊及び各航空基地隊(那覇、岩国航空基地隊を除く。)をいう。

(4) 基地隊等各基地隊、各防備隊、稚内基地分遣隊、各基地分遣隊、仮屋磁気測定所及び各警備所をいう。

 3 時刻

この基準において使用する時刻は、すべて日本標準時とする。

 4 気象測器

観測所における気象測器の装備基準は、別表第1に示すとおりとする。

 5 気象観測業務の内容

気象観測業務の内容は、次のとおりとする。

(1) 気象観測(以下「観測」という。)

(2) 観測記録の作成

(3) 観測結果の通報

 6 観測の種類及び観測所

観測の種類は、陸上気象観測、海上気象観測、機上気象観測及び高層気象観測とし、それぞれの観測は、次に示す観測所が行う。観 測 の 種 類 観     測     所
陸上気象観測 各地方総監部、基地隊等、父島基地分遣隊、航空基地隊等
海上気象観測 通常の観測 航泊日誌を備える艦船
航空機のための観測
機上気象観測 飛行中の航空機
高層気象観測 高層風観測 航空基地隊等
ラジオゾンデ観測 徳島航空基地隊、硫黄島航空基地隊及び「しらせ」

第2 陸上気象観測

 1 観測種別、観測時刻及び観測要素

各観測所が行う陸上気象観測の種別及び時刻並びに観測要素は、次のとおりとする。

 

 2 観測の方法

観測の方法は、気象観測に関する教範類によるものとする。

 3 観測記録の作成及び記入要領

観測所は、次の陸上気象観測記録を作成するものとする。観測記録の記入要領は、海洋業務群司令の定めるところによる。

 

 4 観測結果の通報

気象海洋データ系(以下「WECOM−N」という。)の端末局を有する観測所は、定時観測及び特別観測の結果並びに気象統計報を、WECOM−Nで通報する。ただし、各地方総監部においては、1800から0600までの定時観測の結果の通報を省略することができる。

第3 海上気象観測

 1 観測種別、観測時刻及び観測要素

観測所が行う海上気象観測の種別及び時刻並びに観測要素は、次のとおりとする。

 2 観測の方法

観測の方法は、気象観測に関する教範類によるものとする。

 3 観測記録の作成及び記入要領

観測所は、次の観測記録を作成するものとする。観測記録の記入要領は、海洋業務群司令の定めるところによる。観測の種類 観測記録の種類 観測記録の様式
通常の観測 航泊日誌に記入するほか、航泊日誌甲を備える艦船は、洋上においては海上気象観測記録(別紙様式第4)を作成する。
航空機のための観測 航空気象観測記録 別紙様式第5

 4 観測結果の通報

観測結果の通報は、次によるものとする。

(1) 通常の観測の結果を通報する場合の通報事項及び通報順序は、日時、艦位、風向風速、天気、視程及び波浪とする。

(2) 航空機のための観測の結果を通報する場合の通報事項及び通報順序は、別紙様式第5の通報式欄に示すとおりとする。

第4 機上気象観測

 1 観測時刻及び観測要素

機上気象観測は、航空法施行規則第166条の2に該当する場合のほか、任務に支障のない範囲において次により実施するものとする。

 

 2 観測記録の作成及び観測結果の通報

(1) 機上気象観測を行った場合は、機上気象観測記録(別紙様式第6)を作成する。

(2) US−1Aが波高計により波浪観測を行った場合は、第3第3項に準じ海上気象観測記録を作成するものとする。

(3) 局地外飛行の場合は、当該飛行の終結に際し、飛行中における気象状況について着陸地の気象予報官に対しデブリーフィングを行うとともに、観測を実施した場合、機上気象観測記録を提出するものとする。

(4) 局地飛行の場合は、観測を実施した場合に限り前号に準じデブリーフィングを行うとともに、機上気象観測記録を提出するものとする。

(5) 第3号及び第4号によりデブリーフィングを受けた観測所は、WECOM-Nにより処理するものとする。

第5 高層気象観測

 1 観測時刻及び観測要素

高層気象観測は、次により行うものとする。

 

 2 観測の方法及び記録要領

(1) 高層風観測は、「訓練資料高層風観測」(海上自衛隊訓練資料第151号)による。

(2) ラジオゾンデ観測は、高層気象観測指針(気象庁)による。

 3 観測結果の通報

WECOM-Nの端末局を有する観測所は、高層気象観測の結果をWECOM-Nにより処理する。

第6 観測記録の送付及び保存

 1 観測記録の送付

この基準において、陸上気象観測記録及び海上気象観測記録を作成することに定められた観測所の長は、観測記録を月ごとに取りまとめ、その写1部を翌月10日までに気象資料管理隊長に送付するものとする。ただし、海上気象観測の観測所の長は、この規定により難い場合は、入港後送付することができる。

 2 観測記録の保存

観測記録及び各種観測資料の保存期間は、次のとおりとする。ただし、保存期間は、観測した翌年から起算する。観測記録の種類 保存期間
陸上気象観測記録 30年
自記機器類の記録紙 5年
海上気象観測記録 1年
航空気象観測記録 1年
高層風観測記録 30年
ラジオゾンデ観測記録 30年
上記以外の気象観測資料 1年

第7 その他

 1 技術指導

海洋業務群司令は、観測所の実施する気象観測について技術指導を行うものとする。

 2 委任規定

自衛艦隊司令官、各地方総監、教育航空集団司令官、練習艦隊司令官及び海洋業務群司令又はその指定する者は、この基準に定めるもののほか、気象観測業務に関する必要な事項を定めることができる。

別 紙

特別観測実施基準

1 雲量がBKN又はOVCの最低雲層の雲底の高さが次の条件になった場合

(1) 雲底の高さが減少して、下記の値未満となった場合

(2) 雲底の高さが増加して、下記の値以上となった場合

ア 100フィート、600フィート及び1,500フィート

イ 国土交通大臣が定めた当該飛行場の離陸に関する最低気象条件及び進入限界高度に対応する値

ウ 航空法施行規則第5条第4号にかかる有視界気象状態の限界とする気象条件:1,000フィート

2 前項に示した高さに対応するそれぞれの間において、1つの雲層の雲量が、次の条件になった場合

(1) 雲量がSKC、FEW又はSCTからBKN又はOVCに変化した場合

(2) 雲量がBKN又はOVCからSKC、FEW又はSCTに変化した場合(BKN又はOVCの層が2層以上ある場合で、下層が変化せず、上層が変化した場合を除く。)

3 卓越視程が次の条件になった場合

(1) 卓越視程の値が減少して下記の値未満になった場合

(2) 卓越視程の値が増加して下記の値以上になった場合

ア 3,200メートル

イ 国土交通大臣が定めた当該飛行場の離陸及び着陸に関する最低気象条件(ただし、「飛行視程」を「地上視程」に読み替える。)

ウ 航空法施行規則第5条第4号にかかる有視界気象状態の限界とする気象条件:5,000メートル

エ 航空法施行規則第198条の4にかかる特別有視界飛行方式による飛行視程:1,500メートル(ただし、「飛行視程:1,500メートル」を「地上視程:1,600メートル」に読み替える。)

4 滑走路視距離の値が次の条件になった場合

(1) 滑走路視距離が減少して下記の値未満になった場合

(2) 滑走路視距離が増加して下記の値以上になった場合

ア 400メートル及び800メートル

イ 国土交通大臣が定めた当該飛行場の最低気象条件

5 平均風向が当該観測直前の定時観測又は特別観測において観測した値から60度以上変化し、その変化前、変化後又は変化前後の平均風速が10ノット以上ある場合

6 平均風速が当該観測直前の定時観測又は特別観測において観測した値から10ノット以上変化した場合

7 平均風速が、15ノット以上ある場合で、最大瞬間風速が当該観測直前の定時観測又は特別観測において観測し、通報した最大瞬間風速から10ノット以上増加した場合(平均風速が15ノット以上ある場合で、当該観測直前の定時観測又は特別観測において最大瞬間風速を通報していない場合は、最大瞬間風速が当該観測時の平均風速から10ノット以上増加した場合)

8 次に示す気象現象又はこれらの組合せが開始又は終了した場合

(1) 着氷性の降水

(2) 着氷性の霧

(3) 並又は強の降水(しゅう雨性を含む。)

(4) 低い風じん又は低い地ふぶき

(5) 高い風じん又は高い地ふぶき(ふぶきを含む。)

(6) 砂じんあらし

(7) 雷電

(8) スコール

(9) ろうと雲(たつ巻)

9 次に示す大気現象の強度が変化した場合

(1) 降水(着氷性及びしゅう雨性を含む。)

(2) 高い風じん又は高い地ふぶき(ふぶきを含む。)

(3) 砂じんあらし

10 気温が当該観測直前の定時観測又は特別観測において観測した値から2℃以上上昇し、かつ、当該観測時の気温が32℃以上の場合

11 上記のほか、航空交通業務機関又は運航責任者と協議し、航空の安全及び能率的運航上特に必要と認める場合

注:1 国土交通大臣が定めた当該飛行場の離陸及び着陸に関する最低気象条件の最低の値が、第4項に示す基準の値(400メートル及び800メートル)より大きい場合又は最低気象条件の値がこれらの値の50メートル以内の場合にはその値に替える。例えば、最低気象条件の最低の値が1,000メートルの場合は400メートル及び800メートルを1,000メートルに、600メートルの場合は400メートルを600メートルに、また、最低気象条件値が350メートルの場合は400メートルを350メートルに替える。

2 国土交通大臣が定めた進入限界高度に対応する値は、進入限界高度から滑走路面の高さ又は飛行場標点の高さを差し引いた後の100フィート未満の端数を切り上げた値とする。

3 BKN又はOVCの最低雲層の雲底の高さの実施基準は、鉛直視程を観測したときの距離を含むものとする。

4 国土交通大臣が定めた離陸及び着陸の最低気象条件として、滑走路視距離及び視程の値が同一条件下に共に設定されている場合は、滑走路視距離観測を実施している間、その最低気象条件としての視程の値は実施基準としない。
なお、滑走路視距離の観測が実施できない場合は、その最低気象条件としての視程の値を実施基準とする。

5 大気現象の実施基準は、観測所付近だけでなく、観測所周辺(ろうと雲(たつ巻)については視界内を含む。)の現象の終始について対象とするが、強度により設定されている現象及び強度変化の実施基準は、観測所周辺の現象については適用しない。

6 特別観測を行ったものは、指定特別航空実況気象通報式により通報する。

7 指定特別航空実況気象通報式による通報は、原則として、状態の悪化を示す場合は、観測後直ちに通報する。また、状態の好転を示す場合は、原則として10分間好転の状態を確認した後、速やかに通報するものとするが、10分間待たなくても好転の状態が今後10分間以上続くと観測者が判断した場合は、その時点で速やかに通報する。