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海上自衛隊安全管理規則を次のように定める。

海上自衛隊安全管理規則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この達は、海上自衛隊における安全管理に関し必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この達において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 安全部隊等の実施する隊務において、事故のない状態をいう。

(2) 安全管理安全を確保するための各種の計画、実施、評価、改善等の諸施策をいう。

(3) 事故隊務遂行上生起する事故をいう。

(4) 危険状態等安全に影響を及ぼし若しくは影響を及ぼすおそれのある状態又は行為(潜在事故要因)をいう。

(5) 司令官等長官直轄部隊の長及び機関(海上幕僚長の監督を受ける自衛隊地区病院を含む。)の長並びに自衛艦隊直轄部隊の長をいう。

(6) 部隊等長官直轄部隊及び当該部隊の編成に加わる各級の部隊並びに機関をいう。

(7) 現場指揮官等隊務遂行に係る監督者及び作業現場における指揮官をいう。

(8) 安全管理者部隊等における安全管理に関する責任者をいい、部隊等の長がこれに当たる。

(9) 安全管理補助者安全幹部、安全幹部補佐及び安全係をいう。

(10) 安全幹部安全管理に関し、安全管理者を補佐する者として部隊等の長が指定した者をいい、「安全幕僚」、「安全係士官」等、部隊等の実情に応じ、適宜の呼称を使用することができる。

(11) 安全幹部補佐安全管理に関し、安全幹部を補佐する者として、部隊等の長が必要に応じ指定した者をいい、「安全係士官補佐」等、部隊等の実情に応じ、適宜の呼称を使用することができる。

(12) 安全係安全管理に関し、安全幹部又は同補佐を補佐する者として、部隊等の長が必要に応じ指定した者をいい、「安全係海曹」等、部隊等の実情に応じ、適宜の呼称を使用することができる。

(安全管理の目的)

第3条 安全管理の目的は、安全管理を適正に実施することにより、部隊等の能力を最良の状態に維持するとともに、隊務遂行の効率を増進させ、海上自衛隊の任務達成を推進することにある。

(安全の分類及び区分)

第4条 部隊等がその特性に応じ、安全管理業務を適切に実施するため、安全を艦船安全、航空安全及び一般安全に分類する。

2 艦船安全とは、艦船(搭載艇を含む。以下同じ。)の運航及びこれに関係ある業務において事故のない状態をいい、運航安全及び艦上安全に区分する。

(1) 運航安全とは、艦船の運航に関し、艦船の衝突・接触・乗揚・底触・転覆・沈没・滅失・行方不明及び他の施設又は物件の滅失若しくは損壊の範囲の事故のない状態をいう。

(2) 艦上安全とは、艦船において船体・機関・設備の損害、属具の滅失又は棄損、武器・弾薬の亡失又は損壊、火災及び艦船の構造・設備又は運用に関連する人員の死亡(行方不明を含む。以下同じ。)若しくは負傷の範囲の事故のない状態をいう。

3 航空安全とは、航空機の運航及びこれに関係ある業務において事故のない状態をいい、飛行安全及び地上安全(艦船上においては「艦上航空機安全」という。)に区分する。

(1) 飛行安全とは、飛行又はこれに直接関係ある業務において航空機の墜落・衝突・火災、その他の事故による航空機の損壊、航空機による人員の死亡若しくは負傷又は物件の損壊及び飛行中の航空機内における人員の死亡又は負傷の範囲の事故のない状態をいう。

(2) 地上安全(艦上航空機安全)とは、飛行安全以外の航空安全をいい、飛行に関係する業務において地上事故(艦船上においては「艦上航空機事故」という。)(海上自衛隊一般事故調査及び報告等に関する達(昭和43年海上自衛隊達第23号)第4条に規定する事故で、飛行に関連するものをいう。)のない状態をいう。

4 一般安全とは、艦船安全及び航空安全以外の安全をいい、隊務遂行において、事故のない状態をいう。

(安全管理に関する助言及び勧告等)

第5条 次の各号に掲げる司令官等は、安全の確保及び安全管理の斉一を期するため、当該各号に掲げる安全に関する標準を定め、指揮系統を異にする部隊等の長に必要な助言及び勧告をするものとする。また、部隊等の長の要請に応じ、安全に係る調査等を実施することができる。

(1) 護衛艦隊司令官

ア 護衛艦、練習艦、特務艦(ASU)、訓練支援艦及び補給艦の艦船安全

イ 海上部隊(潜水艦及び練習潜水艦を除く。)に共通する艦船安全

ウ 艦上航空機安全

(2) 航空集団司令官航空安全

(3) 潜水艦隊司令官潜水艦、練習潜水艦及び潜水艦救難(母)艦の艦船安全

(4) 横須賀地方総監砕氷艦の艦船安全

(5) 舞鶴地方総監ミサイル艇の艦船安全

(6) 各地方総監警備区域に所在する部隊等の支援船の艦船安全

(7) 海洋業務群司令海洋観測艦、音響測定艦及び敷設艦の艦船安全

(8) 開発指導隊群司令試験艦の艦船安全

(9) 掃海隊群司令掃海艦、掃海艇、掃海管制艇及び掃海母艦の艦船安全

(10) 第1輸送隊司令輸送艦、輸送艇及びエアクッション艇の艦船安全

2 前項の定める標準は、次に掲げる事項とする。

(1) 安全に係る用語の統一

(2) 安全標識及び所要の標示(以下「安全標識等」という。)の標準

(3) 艦船及び航空機における安全に係る基本的遵守事項

(4) 安全会議、安全調査、安全教育等の計画、実施及び評価の基準

(5) 安全に係る情報及び資料の収集、配布要領等の基準

(6) その他装備及び部隊等の特性に応じ、特に必要と認める事項

3 部隊等の長は、第1項の助言及び勧告を受けた場合、必要な措置を講ずる。また、必要と認めた場合、第1項に掲げる司令官等と協議の上、安全に係る調査等を要請することができる。

第2章 安全に関する責務

(部隊等の長の責務)

第6条 部隊等の長は、安全の確保を図るため、任務遂行に当たり部下を適切に指揮監督するとともに、当該部隊等の規模及び特性に応じた安全管理組織を確立しなければならない。

2 部隊等の長は、適正な安全管理の実施により事故を未然に防止するとともに、事故が発生した場合は、被害局限のため、速やかに応急処置を執り、事故の再発防止に努めなければならない。

3 部隊等の長は、安全に関する情報の交換等、相互に緊密な連携に努めなければならない。

(現場指揮官等の責務)

第7条 現場指揮官等は、隊務の遂行に当たっては、適時適切に隊員を指揮監督し、安全の確保に努めなければならない。

2 現場指揮官等は、作業の実施に当たっては、良好な作業環境の確保に努めなければならない。

(隊員の責務)

第8条 隊員は、隊務の遂行に当たり、安全に関する諸規定を遵守し、自ら危害の防止に努め、事故又は危険状態等を発見(予知)した場合は、被害の局限又は事故の未然防止に努めるとともに、速やかに現場指揮官等又は部隊等の長に報告しなければならない。

第3章 安全管理業務の実施

 第1節

(海上幕僚監部における安全管理業務)

第9条 海上幕僚監部においては、次の業務を行う。

(1) 海上自衛隊全般の安全に関する方針及び計画の作成に関すること。

(2) 安全に関する監察の実施に関すること。

(3) 安全に関する監察の結果及び事故調査の結果並びに事故統計の分析検討に基づく、安全上必要な事項の部隊等に対する所要の指導又は勧告に関すること。

(4) 安全上必要と認める事項の施策への反映に関すること。

(5) 安全に関する調査及び研究に関すること。

(6) 安全に関する資料の収集及び配布に関すること。

(7) 安全に関する隊員の知識及び技能の向上並びに安全意識の高揚に関すること。

(8) その他安全管理に必要な事項に関すること。

(部隊等における安全管理業務)

第10条 部隊等における安全管理者は、次の業務を行う。

(1) 事故防止計画の作成及び実施の監督に関すること。

(2) 安全会議に関すること。

(3) 安全調査に関すること。

(4) 安全教育に関すること。

(5) 安全標識等に関すること。

(6) 安全調査等の分析検討及び対策の実施に関すること。

(7) 安全に関する資料の収集及び配布に関すること。

(8) 危険状態を察知した場合の報告等、安全に関して海上自衛隊全般に周知させる必要のある事項の処理に関すること。

(9) 安全管理上必要な改善に関すること。

(10) その他安全管理に必要な事項に関すること。

 第2節

(安全管理補助者の指定等)

第11条 部隊等の長は、安全管理を円滑に実施するため、司令部にあっては幕僚、司令部を有しない部隊等にあっては幹部自衛官、准海尉又は行政職俸給表.の職務の2級以上若しくはこれに対応する各俸給表の職務の級の事務官等のうちから安全幹部及び必要に応じて安全幹部補佐を指定するものとする。

2 部隊等の長は、必要に応じ、部下隊員のうちから安全係を指定する。

3 部隊等の長は、安全管理補助者を指定するに当たり、知識、経験、安全に関する講習の受講の有無等を考慮し、適任者を選定するものとする。

4 部隊等の長は、必要に応じ、安全管理補助者に安全管理に関して、現場指揮官等を補佐させる。

(事故防止計画)

第12条 安全管理者は、安全管理を計画的かつ組織的に実施するため、指揮系統上の上級者が示す安全に係る方針に基づき、各年度ごと及び必要に応じて事故防止計画を作成するものとする。

2 事故防止計画を作成するに当たっては、艦船安全、航空安全及び一般安全のそれぞれの内容と部隊等の特性及び年度の業務予定を勘案し、安全に係る方針、重点事項、安全管理業務の実施時期等を定め、実効性のある計画としなければならない。

(安全会議)

第13条 安全管理者は、事故防止の効果を上げるため、定期的に又は必要の都度、安全に関する方針の指示、安全管理の実施状況の確認、潜在事故要因の摘出等、安全管理に関し必要な情報交換及び検討のため、安全会議を開催するものとする。

2 同一地区又は基地に二つ以上の指揮系統を異にする部隊等が所在する場合は、当該部隊等の安全管理者の協議により、前項に準じて合同の安全会議を開催することができる。

(安全調査)

第14条 安全管理者は、危険状態等を早期に発見し、これを排除するため、随時に安全調査を実施するものとする。

(安全教育)

第15条 安全管理者は、隊員の安全意識の高揚及び遵守事項の徹底を図るとともに、安全に関する知識技能を向上させるため、計画的に、かつ、機会をとらえて安全教育を実施するものとする。

2 安全管理者は、安全管理補助者に対し、部内外で実施する安全管理に関する講習、会議に積極的に参加させ、安全管理に関する認識を高揚させるとともに、知識及び技能の向上を図るものとする。

(安全に関する資料の活用)

第16条 安全管理者は、事故調査報告書及び危険報告等、安全に関する各種の資料を安全管理業務に活用するものとする。

(安全標識等)

第17条 安全管理者は、安全を確保するため、艦船、航空機、施設、物件等に対し、所要の安全標識等を施すものとする。

2 安全標識等は、別に定めのあるもののほか、必要に応じ司令官等の承認を得て、また、第5条に関連する安全標識等については、同条における司令官等と協議の上、安全管理者が定めることができる。

(安全腕章)

第18条 安全管理補助者は、安全腕章を着用する。ただし、部隊等の長が認める場合は着用しないことができる。

2 安全腕章の規格は、他の法令等に定めのあるものを使用する場合のほか、別図に示すとおりとする。

3 安全腕章は、右腕に着用するのを標準とする。

第4章 雑則

(委任規定)

第19条 部隊等の長は、この規則に定めるもの及び指揮系統上の上級者が定めるもののほか、安全管理に関し必要な事項を定めることができる。

附 則

1 この達は、平成12年9月1日から施行する。

2 航空安全に関する達(昭和38年海上自衛隊達第1号)は、廃止する。

附 則〔第1輸送隊の廃止に伴う関係海上自衛隊達の整理に関する達の附則〕

この達は、平成13年8月10日から施行する。

附 則〔第1輸送隊の新編に伴う関係海上自衛隊達の整理に関する達の附則〕

この達は、平成14年3月12日から施行する。

附 則〔海上幕僚監部首席法務官等の新設等に伴う関係海上自衛隊達等の整理に関する達の附則〕

この達は、平成14年3月22日から施行する。ただし、ミサイル艇隊に係る改正規定は同月25日から、多用途支援艦に係る改正規定は同月27日から施行する。

附 則〔第1次改正による附則〕

この達は、平成15年3月28日から施行する。

附 則〔エアクッション艇隊の新編等に伴う関係海上自衛隊達の整理に関する達の附則〕

この達は、平成16年4月8日から施行する。

附 則〔防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴う関係海上自衛隊達の整理に関する達による附則〕

この達は、平成18年4月1日から施行する。

別図(第18条関係)